導入事例

business清和中央ホールディングス株式会社 様
データ分析がしやすい環境が整い、業務効率化にも寄与
導入企業プロフィール(導入当時)
- 所在地大阪府大阪市西区
- 業種一般鋼材の卸売、加工、請負工事、荷役業務
- 資本金7億6,756万2,500円
- 従業員数(2024年度) 226名(連結)
- 売上高(2024年度) 514億円(連結)
導入モジュール
- 債権、債務、経理、経費
左から 清和中央ホールディングス 青井様 小松様 松井様
清和中央ホールディングス株式会社様は、傘下に清和鋼業株式会社、中央鋼材株式会社など5つの事業会社を持つ持株会社で、鉄鋼製品の独立系商社として、あらゆるメーカー、ユーザーに対し、幅広い鉄鋼ビジネスを展開する鉄鋼流通業界の「リーディングカンパニー」です。
同グループで20年以上利用した基幹システムの汎用機は、老朽化し様々な課題がありました。変化の激しい鉄鋼業界や技術革新に柔軟に対応するために、GRANDITに移行した事例をご紹介します。
1.導入の背景
清和中央ホールディングス株式会社は、グループ共通でスクラッチ開発の汎用機を20年以上運用していましたが、2030年でEOSL(サポート終了)という告知があり、代替となるシステムに移行することになりました。旧システムでは、次のような課題がありました。

清和中央ホールディングス 情報システム部
情報システム課 松井課長
長期間のデータ蓄積ができない
処理能力の制限で、データは3ヶ月程度しか蓄積することができませんでした。長期間の分析がしにくく、経営判断に活かしにくい状況がありました。
新技術に対応できない
AIやRPAなど、様々な新技術が登場するなか、フルスクラッチ開発の汎用機が新技術を取り入れるのは難しく、変化に対応できないという課題がありました。
データ出力は情報システム部に依頼
経理部でデータ分析のためにデータ出力が必要なときは、その都度情報システム部に依頼をしていました。情報システム部の業務の繁閑によっては、長い時間待つこともあり、データ分析の着手までに時間がかかっていました。
紙での業務が多い
帳票を紙で確認したり、決算関連の総勘定元帳や勘定科目明細を印刷してファイリングして保存していました。用紙や印刷コスト、ファイルの保存コストが負担になっていました。
2.システム導入時の対応
清和中央ホールディングスのプロジェクトにおいて、GRANDITを選定した理由や、導入時における課題と解決策、プロジェクト中に苦労した点について紹介します。
選定理由
経営者からシステム刷新の指示があったのが2018年です。EOSLの前に新システムに移行する必要がありました。RFPを公開して募ったところ、4社から提案がありました。以下の要件を満たすことを重視しました。
- 長期間データが蓄積され、分析できること
データが長期間蓄積され、経理部が必要な時に、必要な切り口で出力できる仕組みがあること
- 全体最適と個別最適の組み合わせ
経理についてはグループで標準化する一方、フロント業務については、清和鋼業、中央鋼材それぞれの個別要件に応じて最適化できること。法改正への柔軟な対応を見据え、会計にはパッケージ製品を導入すること
提案した各社とも要件を満たす中、GRANDITは予算が見合うものであり、また導入ベンダーであるベニックソリューションが鉄鋼業界に通じており、信頼できることが最終的な決断につながりました。

清和中央ホールディングス 経理部 青井部長
導入時における課題と解決策
債権・債務については、運用上GRANDITの標準機能ではまかなえないことがわかり、一部カスタマイズを行い対応しました。
また、移行データの入力を兼ねて、入力を担当するユーザーに実際のデータを使ったシナリオテストを実施したところ、旧システムは20年以上使われていたため、「手順が変わってわからない」と戸惑う声もあり、個別対応に苦労しました。特に帳票ベースで業務を覚えていた方は、新しい操作に慣れるまで時間がかかったようです。
そのためユーザーへのサポートを重視しました。「これまで見ていたあの数字はどこで見られるのか?」「この帳票は何に変わったのか?」といった質問に丁寧にサポートするようにしました。
工夫・苦労した点
グループ全体での活用を目指していましたが、会社や拠点ごとに作業内容が異なるという課題がありました。そこで、各拠点からメンバーを募り、意見を取り入れながら進めていく体制を整えました。ベンダー、グループ会社、各部門と仕様を調整しつつ、社内では定期的に進捗確認の会議を開催し、各社の経営層にも状況を共有できるようにしました。
なおプロジェクトが始動したのは、コロナ禍でリモートワークが推奨されていた2020年の夏でした。キックオフで対面の顔合わせができず、最初はリモート会議の設定に苦労する場面もありました。それでも機材を見直すなどして環境を整え、プロジェクトの後半には感染対策を講じながら対面での打ち合わせも徐々に増やしていきました。
帳票の種類や勘定科目などのマスターデータは、テストを進める中で不足や相違が見つかることもあり、その都度、追加開発や運用面で対応しました。リリース直前は、ベンダーも含めて関係者全員で集中的に作業を行いました。ユーザーからの直前の要望にも対応しつつ、予定通りリリースできました。
3.導入システムと導入後の効果
導入システム
債権・債務、経理、経費の会計管理業務についてGRANDITを導入しており、販売管理、加工・倉庫業務のフロント業務については、個別開発をしています。販売系、会計系のシステムは1データベースでデータの統合を行い、リアルタイム連携を実現し、商品マスタ、各種コード体系を統合することで、データの整合性を担保しています。2022年1月にリリースをして、経理業務から運用を開始しました。

導入効果
- 業務効率化
データ出力を各ユーザーが簡単にできるようになりました。債権・債務については、一部カスタマイズに加え、業務をシステムに合わせて見直すことになりました。運用の変更とシステム連携については、ベニックソリューションからのアドバイスを受けて、対応しました。結果として大幅な業務量の削減と効率化につながりました。
連結決算業務においても、以前は遠隔地にある子会社の決算データを受け取るのに時間がかかり、分析にも支障がありました。現在は、各自のPCからいつでもデータを確認できるようになり、格段に業務がスムーズになっています。
- ペーパーレス化の促進、コスト削減
紙への印刷量が大幅に減り、コスト削減に効果があります。旧システムでは、総勘定元帳や勘定科目明細を何千枚も印刷していましたが、今ではその9割近くを削減できました。営業部門が担当する請求書も電子化され、印刷や封入といった作業が不要になり、業務の効率化につながっています。以前は印刷した紙をファイリングして管理していましたが、今ではその作業も保管コストも不要になりました。一部紙の伝票は残っていますが、今後はさらにペーパーレス化を進めていく予定です。

清和中央ホールディングス 情報システム部 小松主任
ユーザー教育
各社の利用ユーザーを集めて、操作方法についての教育を実施しました。講師は入力業務の管理者が務め、情報システム部が各ユーザーの作業を見守りながら、つまずいている方をその場でサポートし、一連の業務をユーザーがこなせるようにしました。
本番稼働後は、ベニックソリューションの担当者とともに各社を訪問し、現地でサポートを行いました。GRANDITで実際に業務を行ってもらいながら、不明点があればその場で対応して解決しました。各社に1週間ほど滞在し、安心して使っていただけるようにしました。
旧システムはシンプルな黒い画面でしたが、GRANDITはUIが見やすく、直感的に操作できます。特に新しく入社された方は違和感がなく、スムーズに使えています。移行直後は戸惑いの声もありましたが、3年半が経過した今では順調に運用できています。
4.今後の展望
情報システム部門としては、RPAやAIといった新しい技術の進化を踏まえ、GRANDITと新しい技術を併用しながら、時代に合ったより便利な仕組みを生み出していきたいと考えています。
繰り返しの業務はロボットで代替したり、OCRを活用して発注書の内容をシステムに自動で取り込んだりと、グループ全体でDXをさらに推進していく方針です。鉄鋼業界、そして同グループでも人材不足が今後ますます深刻になることが予想されるため、自動化できる業務は積極的に効率化していきたいと考えています。
5.お客様のコメント
青井部長:
情報システム部門を介さずに、経理部門の担当者が自らデータを出力し、分析に活用できるというのは、大きなインパクトがあります。現場の業務改善につながる実感を持ってもらえるはずです。ベニックソリューションは、我々の業務理解が深く、要件変更に対しても適切な対応方法の提案があり、頼れる存在でした。
松井課長:
ベニックソリューションは、連絡をするとすぐにレスポンスがありますし、相談をすればすぐに適切な回答をいただけるので安心感がありました。私たちが大規模なシステム移行の経験がなかったため、見落としがちなタスクを指摘するなど、リーダーシップを持ってプロジェクトを推進してくれました。
今後はAIやRPAなどの新技術を併用するなどして、より効率的な業務処理をしていけるような仕組みを整えていきたいです。GRANDITの新機能などの活用事例などは積極的に情報提供いただければ、導入を検討しやすくなります。
小松主任:
私は主に保守を担当しており、エンドユーザーの質問や要望を聞いてベンダーに伝えるような役割を担っています。ベニックソリューションは、鉄鋼業界の業務の理解が深く、業界慣習などを踏まえた提案をしてくれますし、成果物の品質も高いです。現在は、24/365体制でのサポートがあり、サーバーの高負荷など緊急時にも即座に対応していただいて、助かりました。
データが1つのデータベースに一元管理されるようになった今、それをどう活かすかは各社次第です。データ分析を通じて、経営判断に役立てることができれば、非常に大きな価値を生み出せると思います。
プロジェクト成功のポイント
担当プロジェクトマネージャのコメント
本プロジェクトのプライムベンダーとして、プロジェクトを推進しました。清和中央ホールディングス様が、清和鋼業様、中央鋼材様などグループ会社様と調整されて、相談しやすい体制づくりをしていただいたことで、プロジェクトが順調に進んだと思っています。コロナ禍で対面の打ち合わせが難しい時でもオンラインはもちろん、対面でコミュニケーションできるような環境を整えていただき、我々のほうが助けられたと感じています。GRANDITへの移行というゴールに向かって、お客様も含めて一緒に汗をかいて取り組めたことが成功のポイントだと思います。
AI活用については、今後1つのデータベースに各社の情報が蓄積されていくことで、データ活用の土台を整えている段階です。時期が来たら、価値あるAI活用が推進できると確信しております。
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